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コア・コンピタンス経営―未来への競争戦略 (日経ビジネス人文庫)



コア・コンピタンス経営―未来への競争戦略 (日経ビジネス人文庫)

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参考価格:¥ 840 (消費税込)


経営思考ツールとして、今こそ見直したい普遍のバイブル
ほぼテキストのみで語られる
この「企業の”強み”一点集中による戦略策定の教科書」は、
一切の図解などを廃しているがゆえに
読み手の「想像力」をかきたて、「自発的な発想」を齎してくれます。
19年前に書かれたものではありますが、
特に
これから新しい産業に向けて歩を進めようとする方や、
新しい事業を興そうとされる方にとって、
携行すべきヒントが散りばめられています。
とかく新しいことを始めようとする方には、
それまでの因習や定石とされるものが、障壁になっていることがあります。
あるいは、
小手先のビジネス書に翻弄されたり、
過去の(実は、ありがた迷惑な)教訓に迷ったり、
酷い場合は、素人扱いの目線を含んだ嘲笑を浴びることもあるでしょう。
そんな時にこそ、
少し腰を据えて、じっくり本書を読んでみてください。
きっと、背中を押してくれることでしょう。

P.F ドラッカー著「経営者の条件」との併読を強くお勧めします。

現在の企業経営戦略の基礎
本書では過去の経営にこだわらず、自社の強みは何かを把握した上で適切な戦略を練り、それを実行する事の大切さを説明している。 その強みの事を「コア・コンピタンス」といい、単にスキルや技術、経営資源のみならず、市場や競合も加味した上での総合的な強みの事といっている。

468ページに渡る随所で、IBM,HP,ソニー,コマツ,GM, P&G などを事例として扱っており、今となっては古く感じてしまう所はあるが、5年・10年先を見越した経営をする事の大切さを伝えている点は、今でも十分に参考になるであろう。

本書では、日本の代表的企業を良い事例として、米国の老舗有名企業を悪い例として扱っている傾向が強く、それぞれの事例を通じて企業経営がどうあるべきかを説いているが、現在では、日本企業が悪い例になってしまっている事は明らかであり、本書が書かれた1994年時点まではいかに日本企業が米国で優位であったかが伝わってくる部分も面白い。



題名は誤解を招く
最後まで読んでも、コアコンピタンスが具体的に表現できないのはもどかしかった。
既存の戦略立案の一部を否定しておられるが、
個別のプロダクトやサービスの動向予測に「未来を創造する」ことが含まれているし、
今しか見ないというのは不確実性の高さを反映しているとも解釈できる。

小さな論点について得るものは多かったように思われるが、
全体として得るものがあったかといわれると少ししっくりこない。
未来志向の文章なので数少ない成功事例に依拠せざるを得ないのは理解できるし、
時々読むことで自分の視野の狭さを反省できるという意味において役に立つと感じた。


コアコンピタンス
470ページありますが、面白くてすぐに読めます。著者は、第1章に本書の目的を「管理職が未来をイメージし、実際に作り出していく手助けをすることである」と刺激的なことを書いており、実際、どの章も飽きません。1994年の著作で、ソニーが一例として挙げられていますが、私がこの本をとったきっかけは、最近のソニーの不調の原因をこの本に当てはめて考えたら・・・・というところに発しています。ネットワークウォークマンなどソニーは既に販売し、音楽部門も持っていたのに、「i-shuffleと音楽配信」の方が世の中に受けたのか。ブランドを支える、コア製品、コア・コンピタンスを考える一助となる本だと思います。

将来は現在の延長とは限らない
 経営関連の文献でよく引用される言葉で「将来を予測する最も良い方法は自ら将来を作り出すことだ。」というものがある、この本はまさにその言葉を実践するための本であると言えるだろう。
 将来の産業を展望した戦略設計図を基にコア・コンピタンスを育て、アライアンスを組み上げ探検的マーケティングを通じて誰よりも先に新しい産業に到達するという考え方は、将来を作り出す上で何が手がかりと成り得るのかいうことを考える上で非常に有益なものだと思う。




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